【感想】中村航、100回泣くことで100回泣ける気がする

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歳をとると涙腺が脆くなるのかな?

小説でアホみたいに涙したんすよ。

作品は、中村航さん「100回泣くこと」。

まぁね、ぶっちゃけストーリーを先に言っちゃうと彼女が病気で的なありきたりなやつなんです。

でも、その書き方がすごい。えげつなく幸せな描写からの落差がもう辛いの。

100回どころか何度読んでもエンドレスに泣けるゎ。

ぼくの琴線に触れたところをプレイバックしながら、この小説をレビューします。

100回泣くことのここがいいよね

こういうプロポーズも全然いい!

「結婚しようか」

と、僕は言った。

彼女の右手には歯ブラシが、左手には樽型バルブがあった。

「100回泣くこと」より

主人公がプロポーズをするシーン。動かなくなったバイクの部品をばらしてベランダで掃除しているときに、ふと、プロポーズしちゃう。

たぶん、しちゃうって表現で合っていると思う。つい、言葉を出てきて、それでもってシンプルな一言。

準備して準備してプロポーズするのもいいけど、普段の生活の中で思わずプロポーズするのもいいなと思える。

一緒に生きるってこういうことかな?と思う。

やがてそれらは 、どちらからともなく混ざり合い 、カフェオレになった 。

「100回泣くこと」より

この一文がめっちゃ好き。朝、ブラックコーヒーばっか飲んでた主人公と、牛乳を飲んできた彼女。

二人の着地点がカフェオレだったというね。オシャレ!!

自分の文化と相手の文化が混じりあって、二人の文化になる。それが、こんなに幸せなことなんだと、気づく。

こういうことって誰にでもあると思うんです。彼女の生活習慣が自分の中に混じり合っていくことのこそばゆい気持ちというか、心地よさというか。たまたまそれが、カフェオレだったんですね。

ぼくはブラック派なので、ミルク派の女子、お待ちしております。

彼女のかわいすぎるおねだり

( … …解熱の舞いを踊って )

「100回泣くこと」より

何?解熱の舞って。かわいすぎる。高級なレストランでもなく、プレゼントでもない。

こんな彼女が欲しい。ぼくも踊るよ、解熱の舞。とか思っちゃう。

ほんとにこの、彼女を愛おしく表現してる。飾らないけど、凛としてるんだよなぁ。

ちなみに、この辺りから最悪の結末に向かうんじゃないかと思えてくるので涙腺が緩くなってきます。

受け身の練習するのが泣ける

彼女は当然かわいんだけど、彼氏もすごくいい人。どちらかというと草食系な感じなんだけど、そのぶん優しさが滲み出てるんだよなぁ。

彼女と話してた受け身の練習、一人でしてて思わず泣いちゃう。

エピソードとしては共有したことはないはずなのに、なぜか共感できてしまう。

とか書くとぼくも優しい人みたいでむず痒いけど、違うからね!!

何かのきっかけで彼女との約束をふと思い出してしまう、そんな共感が得られます。

この人は、繊細な表現をする人だなと感じる。

予定調和なストーリーなのに悔しいけど号泣

彼女、最後は病気で永遠のお別れしちゃうんです。

なんか良くあるストーリーなの、小説としては。

でも、何故か泣ける。分かってたのに。

それは、二人の人間性が細かく表現されてて感情移入してるからだと思うんだけど。

彼女がいなくなった悲しみというよりも、それまでの日々の中で、当たり前が当たり前にあったことの幸せがすんなりと伝わってきます。

おわりに

これは自宅の本棚で何度も読み返すことができるよ。

ストーリーはもちろん悲しいんだけどどこか爽やかな一冊。

気になった方はぜひ読んでみて下さいね。

※読むときはハンカチは忘れずに

ではっ!